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CASE 01

大木建設株式会社様

作業所の施工管理支援ツール「Site-PRESS」


残業時間削減や生産性の向上を
実現する
施工管理支援ツール
「Site-PRESS」による
建設現場の改革

大木建設株式会社様

1945年に創業して以来、集合住宅や商業施設、生産施設、庁舎などの建築工事、土木工事、PC事業を手掛ける総合建設会社の大木建設。質の高い工事を行うとともに、働き方改革やSDGsへ取り組み、建設業を通して社会に貢献することを掲げている。

同社では、数年前からDXや働き方改革を全社的に進めているが、さらなる建設現場の効率化をデジタル活用によって図るため、協栄産業が販売する、作業所の施工管理支援ツール「Site-PRESS」を導入した。

同ツールの導入は、約1年前と比較的に最近だが、操作性や機能が良く、現場での利活用が進んでいる。実際に現場のコミュニケーションや情報共有に役立ち、生産性を上げることに成功。社員の残業削減などへの成果が出ているという。



今回、同社の東京支店 工事部 部長の小坂謙太郎氏に、Site-PRESSの導入経緯をはじめ、詳細やメリット、今後の展開などをお伺いした。

全社的にデジタル活用を推進し
魅力ある現場を目指す

1945年に創業し、今年80周年を迎える大木建設。総合建設会社として、北海道から九州まで、商業施設や生産施設、居住施設などの建築工事をはじめ、土木工事において幅広いプロジェクトを行っている。50年以上前から自社のPC工場を持っている点も特長で、工業製品化を通して、建造物の品質管理や合理化に取り組んでいる。

大木建設は、以前から各種ソフトウェアの利活用は行っていたが、6年ほど前から、全社的にデジタル活用による業務の効率化を加速させた。その先頭に立つのが、同社の東京建築支店工事部 部長の小坂謙太郎氏である。





「近年、技術者不足や2024年問題などを含め、建設業界を取り巻く環境は変化しており、我々にとってもこれらの変化に対応することは急務となっています。例えば、私が入社したころよりも、社員の平均年齢は上がっています。お客様へ質の高い建物を納めることはもちろん、生産性の向上や残業削減に取り組むことで、今後の働き手の確保や若手社員にとって働きすい魅力的な環境を整える必要がありました」と、小坂氏はデジタル活用を推進する理由を語る。

その小坂氏は2000年に入社し、札幌支店で北海道全域の現場を5年間担当。その後、東京に戻り、関東圏で作業所長を務めるなど豊富な現場経験を持つ。その後、工事課長を経て、2024年に工事部の部長に就任した。実際に小坂氏がデジタル活用への取り組みを開始したのは、2019年頃からである。

「上司で、現在は支店長の大塚とともに、まずは現場の社員へiPhoneやiPadの導入を行いました。その後、現場のデータ管理にクラウドや、写真管理アプリなどを導入し、段階的にICTを導入していきました」。小坂氏によると、まずは身の回りのできることから始めていくように工夫したという。

そして、その流れの中で、小坂氏が現場のさらなる効率化を図るために導入したのが、協栄産業の施工管理支援ツール「Site-PRESS」だ。Site-PRESSは、建設作業所の安全管理や品質管理の省力化を支援するツールで、現場目線の多彩な機能を搭載しており、作業所と専門工事会社との情報共有を効率化できる。



関係者への情報共有を向上し
大幅な効率化へ

大木建設がSite-PRESSを導入して約1年。実際に効果を実感していると小坂氏は高く評価する。多くの機能を持つSite-PRESSの中で、現在、同社の現場で日常的に利用されているのが、「工程安全打合せシステム」や「災害防止協議会システム」である。

小坂氏は導入前の課題を「安全作業日誌は、以前は打ち合わせした内容をすべて手書きで記載し、作業所の全社員に一人ずつ回し、最後には作業所長に確認してもらうというプロセスが必要でした」と語る。手書きする量が多く、時間が掛かるため、多忙だと1週間分を貯めてしまうケースがあるなど、現場の負担となる傾向にあった。

また、「日誌に次の日の作業や安全注意事項を記載し、各協力会社に必要な情報を伝達するのですが、その内容を確認したという直筆サインを各担当者にもらう必要があります。現場が佳境に入ると関係する会社は30社以上にも及ぶこともあるため、紙を回すだけでも時間がかかり大変でした」。それが、Site-PRESSの導入によって、基本的には一人の担当者が現場でシステム上に記入し、ほかの社員や協力業者が確認してコメントを記入。そして、作業所長を含めてiPhoneやiPadでサインする流れに変わったのだ。





小坂氏は、「紙を回すというアナログの作業がなくなり、すべて各自のデバイス上で完結できるため、時間や手間が大幅に削減されました」。もちろん、各自のサインは都合の良いタイミングで行えるようにもなったので、協力会社の担当者は内容を確実に把握し、そのあとサインすることができる。これにより、情報共有の精度も上がったという。

小坂氏は、「パソコンのWebブラウザから使用できるため、現場と同じ情報をリアルタイムで事務所などから確認できる点も便利です。そのほか、工事の打ち合わせも記入できます。一人の担当社員がベースとなる内容を書き、ほかの人が追記することもできます。例えば、昼頃に打ち合わせのあと、現場の進行状況に合わせて特定の業者に翌日来てもらうようなことがありますよね。ほかの社員が連絡を受けても、その社員が追記していくことで関係者に間違いなく一斉に共有できます」。つまり、手間の大幅削減だけでなく、メモのような手軽さで、最新の内容について常に共有できる。小坂氏は、「時間短縮と、伝え忘れの防止という面で大きなメリットですし、現場の生産性がかなり向上しました。また、残業時間も実際減っていますね」と効果を語る。



導入の決め手や今後の活用の
ポイントについて

大木建設と協栄産業は、約20年来の付き合いとなる。協栄産業の公共工事専用見積ソフト「みつもりくんie2」を以前から使用しており、約6年前からは見積書作成システム「KYOEI COMPASS」、建築積算システム「FKS」も活用する。

小坂氏は「協栄産業の営業担当は、幅広い情報を提供してくれる点が助かります。Site-PRESSも発売前に知りました。また、もともと前田建設工業様が自社で開発したシステムという点も魅力的でしたね」ときっかけを語る。

実際にSite-PRESSは前田建設工業で運用され、協力会社の評価も高かったことから、協栄産業との協働で販売に至った製品だ。「導入前には、前田建設工業様からも直接お話をお伺いできました。課題や改善策をお聞きでき、導入後の現場での活用イメージなども持ちやすかったです」と振り返る。

また、小坂氏は現場業務のさらなる効率化に意欲的だ。その1つにSite-PRESSの「コンクリート打設管理システム」がある。「コンクリートの打設に関しては、生コン工場でミキサー車に生コンクリートを積み込んだ時点から打設までの所定の時間を守ることが必須のため、工場と現場事務所との迅速な情報共有が欠かせません」。





そのほか、マンションなどの建物で高層階部分を打設する際には、打設の状況を地上と高層階でお互いに確認しづらいという課題もあるという。

「地上に止めるミキサー車からポンプ車を経由してコンクリートを上階に圧送する際に、打設の状況を見ている上階の職人は、地上のミキサー車が何台目なのかといった状況がリアルタイムで把握しづらいのです。そのため、Site-PRESSで管理し、状況を共有することはとても有効と考えています」。現在のところ本格的な導入には至っていないが、より品質の高い施工を実現すべく、活用の検討を進めている。

「このように、我々は少しずつデジタル活用の幅を広げ、着実に推進することで、実際に残業時間の低減に成功しています。今後さらに効率化を進め、魅力的な現場づくりができればと思います」と小坂氏。

また、「Site-PRESSに関していえば、大変扱いやすく、ベテランも含めて全社員がより一層使いこなすことで、現場での利用をさらに増やしたいですね。そして、工事の安全面や品質をさらに高めていき、お客様に喜んでもらいたい思います」と小坂氏は前向きだ。効率化を追求しつつ、技術や安全面も含めた魅力あるものづくりを続ける姿には、次世代を担う層も惹かれることだろう。