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第34回

「建設DXに対する
学生さんのホンネ(後編)」

リアルな現場への渇望と産学連携への期待

前回コラムでは、では、日本大学生産工学部の学生さんを対象としたアンケート結果から、建設DX時代に求められる人材像やスキルセットについての学生さんの考えをご紹介しました。BIM/CADなどの「デジタル技術スキル」はもちろんのこと、建築の専門知識と融合させる「ハイブリッド」な視点、そして「変化への対応力」や「データ活用能力」などが重要視されていることがわかりました。今回はその続きとして、学生さんが特別講義や自らの将来に対して抱く、より具体的な『ホンネ』、特にリアルな現場への渇望や教育への期待について掘り下げていきます。

学生さんの「もっと知りたい!」:
リアルな現場への渇望

今回、協栄産業が中心となって実施した特別講義に対しては、「分かりやすかった」「BIMをはじめとしたデジタルツールのメリットを実感できた」といった好意的な意見が多く寄せられました。実務で実際に使われている最新のツールに触れる機会は、学生さんにとって大きな刺激となったようです。

その一方で、「具体的な事例や成功事例だけでなく、導入時の課題や失敗事例にも触れてほしい」という要望も少なくありませんでした。キラキラした成功体験だけでなく、DX推進の難しさや、それを乗り越えるプロセスといった「リアル」な情報への渇望がうかがえます。これは、単なる知識習得に留まらず、実社会で直面するであろう課題にも目を向け、実践的な学びを求めている証拠と言えるでしょう。今どきの学生さんの、こうした大人顔負けのリアルな現場への渇望は、私たち社会人にとって驚きであると当時に、彼らの未来がとても明るいものになるような予感を感じます。

また、アンケート結果には、「キャリア・業界の現状や将来への疑問・関心」に関するコメントも多く見られました。特に「労働環境」や「デジタル活用の実態」といった、自分たちがこれから飛び込んでいく世界の現実について、より深く知りたいという意欲が示されていました。これは、学んだ知識やスキルが実際の現場でどのように活かされ、自身の働き方にどう影響するのかを具体的にイメージしたいという、学生さんの切実な思いの表れであると言えます。果たして、私たち大人は教育現場において、彼らの切実な思いにキチンと答えられているでしょうか…

学生さんのホンネから見える、
これからの建設DX教育

今回のアンケート調査から見えてきたのは、建設DXに対する学生さんの高い関心と、未来に向けた真摯な眼差しです。彼らは、単に新しいツールを使えるようになりたいだけでなく、それが建設業界の課題解決や自身のキャリアにどう繋がるのかを深く考えています。

前編で触れたように、専門的なデジタルスキル、建築知識、マネジメント能力、コミュニケーション能力、学習姿勢・対応力、そして融合的な視点。これらを総合的に高め、実践的な課題解決に取り組める「ハイブリッド型人材」こそ、彼らが目指し、そしてこれからの建設業界が求める人材像です。

そして、「失敗事例」や「業界のリアル」を知りたいという学生さんの切実な声は、教育現場に対して、座学やツール操作訓練だけでなく、より実社会との接点を強化していく必要性を示唆しています。例えば、現場見学などで実務家と直に対話する機会を創出し、教科書だけでは得られない生きた知識や経験を提供することが、学生さんの学習意欲をさらに高め、将来への具体的な展望を描く手助けとなるでしょう。

協栄産業の取り組み:
産学連携で未来を拓く

私たち協栄産業は、今回のアンケート結果を真摯に受け止め、学生さんの「ホンネ」に応えるべく、産学連携の取り組みをさらに強化していきたいと考えています。

最新のDXツールや教材の提供に留まらず、インターンシップや実務家による講演などを通じて、学生さんが業界のリアルに触れ、実践的なスキルを磨く機会を創出していきます。成功事例だけでなく、現在進行形の課題や、それを乗り越えようとする企業の努力を伝えることも重要だと考えます。なぜなら、そうしたリアルな情報こそが、学生さんの問題解決能力や変化対応力を養う上で不可欠な要素となるからです。

建設DX教育の充実は、もはや教育機関だけの課題ではありません。私たち企業が持つ最前線の知見や実践的な技術、そして具体的なソリューションを教育現場に提供し、大学と深く連携していくことが不可欠です。

協栄産業は、建築積算ソフト「FKS」をはじめとする建設DXツールと、長年培ってきた業界ノウハウを提供することで、この産学連携を強力に推進しています。 私たちは、単にツールを提供するだけでなく、実際のプロジェクトで直面する課題や、データ活用のノウハウ、効率的なワークフロー構築といった、現場で本当に役立つ知見を学生さんに伝えています。今回の日本大学での特別講義のように、「FKS」のような実務で使われるツールに学生さんが触れる機会を提供することで、学生さんが卒業後すぐに活躍できるような、より実践的な教育プログラムの実現をサポートします。

未来の建設業界を担う人材育成は、業界全体のデジタルトランスフォーメーションと生産性向上に直結する重要な投資です。協栄産業は、この重要なミッションに貢献するため、今後も教育機関との連携を深め、私たちの技術と知見を惜しみなく提供してまいります。

建設DX教育の推進において、実務に即したツールやノウハウ、そして熱意あるサポートを提供するパートナーをお探しの教育機関や企業の皆様、ぜひ協栄産業にご相談ください。 私たちのソリューションと経験が、貴校・貴社の建設DX人材育成を加速させます。共に、デジタル技術を駆使して進化する、建設業界の明るい未来を築いていきましょう!

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