信越化学工業株式会社

高性能レア・アースマグネットの中でも最高峰に位置するのが、ネオジウム（Nd）、鉄（Fe）、ボロン（B）を主成分とする「信越ネオジウム（Nd）磁石Nシリーズ」です。卓越した磁気特性を有しながらも、その原料はレア・アース元素の中でも比較的資源が豊富なNdであるため、高性能と低コストの両立を実現できました。希土類磁石の代表製品として、その応用範囲は日々拡大しています。弱点とされる耐食性においても、Niメッキ、無機系塗装等、用途に応じた最適な表面処理を施すことにより「信越ネオジウム（Nd）磁石Nシリーズ」は、あらゆる用途で最高のパフォーマンスを発揮することが可能となりました。

「信越サマリウム（Sm）磁石Rシリーズ」は、Nd磁石と比べて温度特性が良好であることから、高温で逆磁界にさらされるような厳しい環境においても、優れた磁気特性を発揮します。保磁力の温度変化が小さくキュリー温度が高いという点も、他の磁石では得難いSm磁石の特筆すべき性質です。
信越化学では、他社に先駆けてSm2Co17磁石の量産化に成功し、さらに合金組成や製造工程を改良し続けた結果、従来のSm系磁石では得られなかった、Nd磁石に匹敵する高エネルギー積を有する「R33Hグレード」の開発に成功しました。このR33Hに代表される「信越サマリウム（Sm）磁石Rシリーズ」は、宇宙などの苛酷な環境下での使用に適した新材料として近年注目を集めています。