コラム② カスタムICで部品点数を削減するメリット

シンプルな設計が、品質とコストを大きく変える

 
1. 部品点数は“製品の未来”を左右する

電子製品の多機能化が進む一方で、設計現場では「基板が部品でいっぱい」「回路が複雑すぎて改修が困難」といった声がよく聞かれます。こうした悩みの根本には、“部品点数の多さ”という問題があります。

複数の汎用ICやディスクリート部品を組み合わせて機能を実現している場合、1つの設計変更が他の回路にも波及し、全体の見直しを迫られることも少なくありません。

そこで注目されているのが、必要な機能を1つのチップに統合できる**「カスタムIC」**の導入です。

 
2. 部品点数削減の具体的メリット

① 設計のシンプル化と開発効率の向上

  • 部品が減ることで、配線がシンプルになり、ノイズや誤動作のリスクも軽減されます。
  • 設計ミスの防止や回路検証の簡略化により、開発期間の短縮にもつながります。

② 基板面積の削減と製品の小型化

  • 部品点数の削減は、基板サイズの縮小や部品配置の自由度向上にも直結します。
  • 特にスマートデバイスやウェアラブル機器など、スペースが限られる製品では大きな利点です。

③ 組立工数と実装不良リスクの低減

  • 実装する部品が少なければ、マウンタ作業のステップが減り、生産効率が向上します。
  • また、ハンダ付け不良や部品実装ミスのリスクが減るため、製品の信頼性が高まります。

④ 部品調達と在庫管理の簡素化

  • 多品種の標準部品を調達する必要がなくなり、BOM(部品表)管理や在庫コストの負担が軽減されます。
  • 世界的な部品供給の不安定さを背景に、「少ない部品で機能を完結できる設計」は今や重要なリスク対策です。
 
3. カスタムIC化の導入事例(例)

あるメーカー様では、計測システムに用いていた制御回路10点以上の構成を見直し、弊社開発のカスタムICに集約しました。

その結果、製品のハンディ化に寄与しました。

  • 部品点数が大幅削減
  • 面積が3%程度にまで小型化
  • 量産時の不良率も大幅に改善。

このように、部品点数の削減は単なる設計上の利便性にとどまらず、全社的なコストと品質に大きなインパクトをもたらすのです。

 
4. 「削減=最適化」 カスタムICで実現する設計革新

もちろん、カスタムIC化にあたっては「どこまで集約すべきか」「将来的な仕様変更に対応できるか」など、慎重な設計検討が必要です。

弊社では、お客様の現状構成を丁寧にヒアリングしながら、最適な機能分割・回路集約のバランスをご提案いたします。

 
5. 次回予告:「小型化はなぜ重要か? カスタムICが拓く新たな製品設計」

製品を“より小さく、よりスマートに”──その鍵を握るのがカスタムICです。次回は、筐体・バッテリー・放熱など設計の各側面にどのようなメリットがあるのか、具体的に掘り下げてご紹介します。



カスタムIC化は、製品設計の進化と競争力向上の鍵です。
協栄産業のICターンキーサービスをご利用いただき、次世代の製品開発を共に実現しませんか?

こんなご質問やご相談にもお答えします。

・カスタムICについて、詳しく教えてください。
・IC化出来るか分からないが相談に乗ってもらえるの?
・今のディスクリートの回路をIC化するとどれくらいコストメリットが出るの?
・開発費ってどのくらいかかるの?
・開発工期はどのくらい? 

等、お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

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