コラム① カスタムICを使うメリットとは?
世界情勢と技術革新がもたらすカスタムICの必要性
1. カスタムICを取り巻く世界の変化
近年、半導体業界を取り巻く環境は大きく変化しています。世界情勢・技術動向・産業課題の3つの課題の解決策として「カスタムIC」が注目されています。
① 地政学リスクとサプライチェーン問題
- 半導体産業は、特定の国・地域に製造拠点が集中しているため、地政学的リスクの影響を大きく受けやすい。
- 実際、近年の国際関係の変動やサプライチェーンの混乱により、特定のICの調達が困難になるケースが増えている。
② 汎用ICの供給不足と価格高騰
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近年の半導体不足により、特に汎用ICの供給が不安定化し、価格の高騰や納期遅延が発生。
- 一般的な汎用ICを複数組み合わせる従来の設計では、部品ごとに影響を受けやすく、開発スケジュールが不安定になる。
③ 急速に進む製品の小型化・高性能化の要求
- スマートフォン、IoTデバイス、EV(電気自動車)、AI機器など、近年の製品は「より小さく、より高性能に」という要求が増加。
- しかし、従来の設計では、汎用ICを多く使用するほど基板が大型化し、電力消費も増えるという課題があった。
2. なぜ「今」カスタムICが求められるのか?
これまで、カスタムICは「開発コストがかかる」「設計に時間がかかる」などの理由で、一部の大手企業しか採用できないと考えられていました。しかし、現在では以下の要因により、中小企業や新規参入企業にとってもカスタムICが現実的な選択肢となっています。
① 半導体設計技術の進化
開発ツールの発達により、従来よりも短期間で設計が可能に。
② ファウンドリ(受託製造)の拡充
世界的なファウンドリ企業が増え、中小規模のカスタムIC製造も対応しやすくなった。
③ 長期的なコストメリット
汎用ICの価格が高騰する中、カスタムICのほうが総コストを抑えられるケースが増えている。
3. まとめ:カスタムICがもたらす新たな可能性
- 安定した供給を実現するために「独自設計のカスタムIC」を採用する企業が増えている。
- 必要な機能を1つに統合できるカスタムICを採用すれば、部品調達のリスクを抑え、長期的なコストメリットを確保できる。
- カスタムICは、特定用途に最適化された回路を実装できるため、小型化・省電力化・性能向上を同時に実現できる。
「供給安定・コスト削減・小型化・高性能化」この4つを同時に実現できるカスタムICは、今後さらに多くの製品に採用されることが予想されます。
次回は、カスタムICの具体的なメリットである**「部品点数削減」**について、実例を交えて詳しくご紹介します!
カスタムIC化は、製品設計の進化と競争力向上の鍵です。
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