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第17回

「悲劇はイースター島だけ
じゃなかった」

建設DX展2023

2023年12月、東京ビッグサイトで建設DX展が開催され、協栄産業からも出展しました

建設DX展は、建設業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する展示会で、併催されたJAPAN BUILD-建築の先端技術展-と合わせて、600社を超える出展社数と3万人以上の集客を誇る国内最大規模の展示会です。

協栄産業ブース

この建設DX展で、協栄産業は「BIM&DXで環境に配慮した建設を実現」というキーワードを掲げ、環境に配慮した建築をテーマとする多くの展示を行いました。自治体や学協会、大学などとの研究開発や新事業を紹介するなど、商品説明にとどまらない社会ニーズに則した展示を数多く行い、多くのお客様にご来場いただきました。当日の展示内容については、このページから詳しくご覧いただけます。

そして協栄産業ブースでは、毎年好評をいただいております”ミニセミナー”を開催しました。昨年と同じく、MC(司会)は人気IT系Youtuberの渡辺さきさん(ITすきま教室主催)です。今年のミニセミナーでは、商品紹介に加えて「環境問題と建設DX」と題した寸劇も行われました。

悲劇はイースター島だけじゃなかった

このコラムの4回目「イースター島の悲劇」では、モアイ像の建造に起因する無計画な森林伐採によって、イースター島の文明が崩壊してしまった悲劇をご紹介しました。続く5回目「環境配慮型不動産」では、その悲劇が、いま地球規模で繰り返されようとしている事実を、皆様と共有しました。しかし、こうした文明の崩壊が、イースター島だけの悲劇ではなかったことが、今年の建設DX展で明らかとなったのです!

イースター島の文明は5世紀ころに興り、17世紀初頭に崩壊したとされています。しかし、それよりはるか昔の紀元前、世界最古の文明といわれるシュメール文明や、世界四大文明の一つに数えられるインダス文明でも、人類による環境破壊によって文明が崩壊していたらしいのです。この衝撃的な研究成果は、協栄産業ブースに突如現れたハカセによって、協栄産業のミニセミナー会場で初めて報告されました。

突如現れたハカセ(左)と、環境問題について発表するYoutuber(右)

シュメール文明とインダス文明

ハカセの解説によると、シュメール文明は、紀元前3000年頃にメソポタミア南部で発生した文明で、そのころの日本は縄文時代~弥生時代だったそうです。シュメール文明は、楔形文字や青銅器を発明するなど発達した技術をもち、ジッグラトと呼ばれる高層建築物(ハカセいわく現在のタワマン)を建造するなど、非常に高度な都市国家文明を築いていました。しかし、都市を拡大する際に無計画な自然破壊を行い、最後は大洪水で文明ごと流されてしまったと、ハカセが言っていました。旧約聖書の創世記に登場する、バベルの塔伝説や、ノアの方舟伝説は、この文明の栄枯盛衰が原型になったと考えられているそうです。

一方のインダス文明は、インダス川流域を中心に紀元前2000年頃に隆盛期を迎えたインドの古代都市文明で、モヘンジョ・ダロなどの都市遺跡が有名です。しかし、インダス川下流域での洪水や、気候変動による海水準変異などが理由で、このインダス文明もやがて終焉を迎えることになります。

このミニセミナーで、ハカセはこんなことを言っていました。

「文明の崩壊は、すべて人類が行った環境破壊によるものじゃ。繰り返される悲劇の歴史から、我々は何も学んでこなかった。いまこそ行動を起こすときじゃ。」

建設DXで文明の崩壊を阻止?

ハカセの言う「行動」とは、いったい何でしょうか?

ハカセは「それは建設DXの推進じゃ。」と言っています。建設DXとは、建設業におけるデジタルトランスフォーメーションのことで、デジタル技術を活用して作業を効率化し、企業の競争力を高めること。一見、環境問題とはあまり関係なさそうに思えますが…

ハカセの研究によれば、建設業におけるDXの取り組みは、この業界に起因するさまざまな環境負荷を軽減し、地球環境を改善する有効な手段として期待されているのだそうです。例えば、「建設工事の効率化によるエネルギーと資源の削減」や「脱炭素型の建設材料や施工方法の活用による環境負荷の低減」などが考えられます。

また、BIM(Building Information Modeling)に代表されるデジタルツールやシミュレーション技術などを活用することで、工事現場の効率化だけではなく、建材の調達や運搬の段階から環境負荷軽減を考えることもできるでしょう。文明の崩壊は、建設DXのチカラで防ぐことができるのです。

ところで、建設DX展が終了した後、ハカセの行方がわからなくなっているそうです。どなたかあの特徴的な姿を見かけた方は、警察に通報する前に、協栄産業までご一報をお願いいたします。(ご連絡はメールでお願いします。メール送信先:fks@kyoei.co.jp)

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